POINT01
就活の軸は、決め直してかまわない
就活の軸を決め直したくなるのは、迷っているからではなく、実際に企業を見て判断材料が増えたからです。最初に立てた軸が「なんとなく有名だから」「給料が高そうだから」だった人ほど、説明会やインターンを経て違和感が出てきます。それは前に進んでいる証拠です。
ジョブコミットを利用して就活を終えた27卒の学生1,940人に入社を決めた理由を聞くと、「社風・人・雰囲気」が29.3%、「就活の軸に合っていた」が28.2%で上位でした。「給与・待遇」(9.1%)の約3倍です(27卒学生1,940人調査)。最終的な決め手は、条件よりも「自分に合うかどうか」になることが多いのです。だからこそ、軸は早めに自分の言葉で作り直しておく価値があります。
軸を決め直すことは、これまでの就活を無駄にすることではありません。説明会で感じた違和感、面接でうまく話せなかった質問、インターンで楽しかった時間は、すべて新しい軸の材料になります。ゼロから作り直すのではなく、集まった材料で組み立て直すと考えると、気持ちも軽くなります。
29.3%
入社を決めた理由に「社風・人・雰囲気」を挙げた学生
「就活の軸に合っていた」は28.2%、「給与・待遇」は9.1%
POINT02
軸がしっくりこないときに起きていること
軸が定まらない原因は、だいたい次のどれかです。自分がどれに当てはまるかを見てみてください。原因が分かると、どこから直せばいいかも見えてきます。
軸が「業界名」になっている
「IT業界」「メーカー」は軸ではなく選択肢です。なぜその業界なのかが軸になります
人から聞いた軸を借りている
「成長できる環境」「安定」などは、自分の経験と結びついていないと面接で深掘りされたときに答えられません
軸が多すぎる
5個も6個もあると、どの企業も当てはまるか、どの企業も当てはまらないかのどちらかになります
「やりたいこと」だけで考えている
やりたい仕事が思い浮かばないと、軸も作れないと感じてしまいます。「どんな環境なら力を出せるか」「何は避けたいか」から考えても軸になります
POINT03
一人で軸を決め直す3ステップ
まずは一人でできるところまで進めてみましょう。1時間ほどあればできます。紙でもスマートフォンのメモでも構いません。
- 1
ステップ1:これまでの選択を書き出す
部活、サークル、アルバイト、ゼミ、進学先など、自分で選んだことを並べ、それぞれ「なぜ選んだか」「続けて嬉しかったこと・嫌だったこと」を一行ずつ書きます
- 2
ステップ2:共通点を探す
「人に感謝されると頑張れた」「決められたやり方を繰り返すのはつらかった」など、何度も出てくる言葉に印をつけます
- 3
ステップ3:働き方の言葉に置きかえる
共通点を「お客さんの反応が近くで見える仕事」「若いうちから任される環境」のように、会社選びに使える形に直し、2〜3個にしぼります
軸ができたら、すでに見た企業をその軸で並べ直してみてください。「なぜか気になっていた会社」の理由が言葉になることがよくあります。
ここがポイント
自分で選んできたことを書き出し、共通点を探して、会社選びに使える働き方の言葉に置きかえる。軸は2〜3個にしぼります。
POINT04
書き出しの例:経験から軸ができるまで
ステップの流れをイメージしやすいように、書き出しの例を一つ紹介します。あくまで例なので、自分の経験に置きかえて読んでください。
例:飲食店のアルバイトとゼミ発表の経験から軸を作る場合
書き出し(アルバイト)
選んだ理由は「家から近かったから」。嬉しかったのは、常連さんに顔を覚えてもらえたこと。嫌だったのは、忙しい時間に何も考えずに同じ作業を繰り返すこと
書き出し(ゼミ)
選んだ理由は「先生が学生に任せてくれる雰囲気だったから」。嬉しかったのは、自分で調べた内容に質問が多く来たこと。嫌だったのは、発表の担当を一方的に決められたこと
共通点
「相手の反応が見えると頑張れる」「自分で決められる余地がほしい」
軸の言葉
「お客さんや社内の人の反応を直接受け取れる仕事」「入社して早いうちから自分の担当を持てる環境」
このように、「嫌だったこと」も軸の大事な材料です。避けたいことがはっきりすると、企業を選ぶときの迷いが減ります。
ここがポイント
「嬉しかったこと」だけでなく「嫌だったこと」も軸の大事な材料です。避けたいことがはっきりすると、企業選びの迷いが減ります。
POINT05
決め直した軸が使えるか確かめる方法
軸は作って終わりではなく、実際の企業選びで使えるかを確かめて初めて役に立ちます。次の3つの確かめ方を試してみてください。
企業に当てはめて差が出るか
気になる会社を3社並べ、軸ごとに「合う・分からない・合わない」をつけます。全部「合う」になるなら、軸が広すぎるサインです
説明会や面接で質問にできるか
「若手が担当を持つのは何年目くらいからですか」のように、軸を質問の形にできれば、企業を比べる材料が集まります
理由を経験で話せるか
「なぜその軸なのか」と聞かれたときに、書き出した経験を一つ挙げて話せるかを確認します。話せない軸は、借り物になっている可能性があります
確かめてみて違和感があれば、もう一度ステップ1に戻って構いません。行き来しながら言葉を整えていくのが普通です。
POINT06
軸を決め直す1週間の進め方
軸の決め直しは、一度に長い時間をかけるより、短い時間を数日に分けたほうが進みます。間に企業の情報を見たり人と話したりすると、考えが自然に整理されるからです。次の1週間の流れを目安にしてください。
- 1
1日目:書き出す
ステップ1の「これまでの選択」を、思いつく限り書きます。この日は整理しなくて大丈夫です
- 2
2日目:印をつける
書いたものを読み返し、何度も出てくる言葉や気持ちに印をつけます。「嬉しかった」と「嫌だった」の両方から探します
- 3
3日目:軸の候補を作る
印をつけた言葉を、働き方の言葉に置きかえて候補を3〜5個作ります
- 4
4〜5日目:企業に当てはめる
気になる会社の採用ページや社員インタビューを読み、候補の軸で「合う・合わない」を判断してみます。判断に使えなかった候補は消します
- 5
6日目:人に話す
キャリアセンターや先輩、就活エージェントの面談で、候補の軸とその理由を話してみます。質問されて言葉に詰まったところが、直すべきところです
- 6
7日目:2〜3個に決める
残った候補から、譲れない順に2〜3個を選び、一文ずつ理由を書いて完成です
授業やアルバイトで忙しい週は、1日あたり15〜20分でも構いません。止まらずに少しずつ進めることが、軸を自分の言葉にする一番の近道です。
POINT07
一緒に考えてくれる相談先と、使い方のコツ
書き出してもしっくりこないときは、人と話しながら整理するのが一番早い方法です。質問されて答えるうちに、自分では気づかなかった共通点が見えてきます。相談するときは、書き出したメモを持っていくと、短い時間でも話が深まります。
大学のキャリアセンター
無料で個別相談ができ、自己分析の進め方も教えてもらえます。「軸を決め直したいので、書き出したものを見てほしい」と目的を伝えて予約すると、相談が具体的になります
ゼミの先生や社会人の先輩
働いている人の話を聞くと、軸を「仕事の言葉」に置きかえやすくなります。「仕事で嬉しかったこと・大変だったこと」を聞くと、自分の軸と比べられます
就活エージェント
専任の担当者が面談を重ねながら軸を一緒に整理し、その軸に合う企業の紹介まで続けて相談できます。軸を決めたあとに企業探しで止まりやすい人に向いています
ジョブコミットは、志望業界が決まっていない段階からでも相談でき、1人あたり平均10回以上の面談で軸の整理から企業選び、面接対策まで伴走します。学生は完全無料で利用できます。
POINT08
軸を決め直すときによくあるつまずき
軸を決め直す途中で、次のような状態になる人は少なくありません。当てはまったら、無理に先へ進まず、やり方を少し変えてみてください。
正解を探して止まってしまう
軸に正解はありません。「今の自分にとってしっくりくるか」で決めて、企業を見ながら直していけば大丈夫です
周りの軸と比べて不安になる
友人が「社会貢献」「グローバル」などはっきりした軸を話していても、それはその人の経験から出た言葉です。自分の経験から出た言葉のほうが、面接でも強く話せます
決め直すたびに、受ける企業を全部入れ替えようとする
軸が少し変わっても、これまで見てきた企業がすべて合わなくなるわけではありません。新しい軸で並べ直し、残す企業と加える企業を分けて考えてください
軸の言葉がぼんやりしたままになる
「人の役に立つ」「成長できる」のような言葉は、どの会社にも当てはまってしまいます。誰の、どんな場面での役に立ちたいのかまで書き足してください
ぼんやりした言葉を具体的にする例を挙げておきます(例です)。悪い例は「人の役に立てる会社」。良い例は「困っている人の相談に直接乗り、解決したときの反応を自分で受け取れる仕事」です。後者なら、営業・窓口・サポートなど仕事の種類まで絞り込めます。もう一つ、悪い例の「成長できる環境」は、良い例では「入社して早いうちから先輩に任されて、失敗しても相談できる環境」になります。ここまで書けると、説明会で確かめる質問もすぐに作れます。
POINT09
決め直した軸は、面接の答えにもなる
軸を決め直すと、志望動機の作り方も変わります。「御社は〇〇だから」ではなく、「自分は〇〇な環境で力を出せる。だから〇〇な御社を選んだ」と、自分の経験から会社につながる順番で話せるようになります。
例えば先ほどの例なら、「アルバイトとゼミで、相手の反応が見えるときに一番力が出ると気づきました。御社は若手のうちからお客様を担当すると伺い、その環境で働きたいと考えました」という形です。業界が決まっていない人は、行きたい業界も企業もないときの進め方もあわせて読んでみてください。
軸は今決めたものが最後ではありません。企業を見るたびに少しずつ直していけば十分です。
ここがポイント
決め直した軸があれば、「自分は〇〇な環境で力を出せる。だから御社を選んだ」と、経験から会社につながる順番で話せます。




